「自分専用の便利ツールを作ってみたい。でも、プログラミングなんて何一つわからない……」
そう思って、そっとブラウザを閉じた経験はありませんか?
正直に告白します。私もその一人でした。
過去に何度も「Progate」や「ドットインストール」に手を出しては、環境構築の段階で挫折。黒い画面(ターミナル)に謎の英語が並ぶだけで動悸がして、「やっぱり私には無理だ。エンジニアなんて異世界の住人がなるものだ」と諦めていたんです。
HTMLの <div> タグすらまともに書けない。そんな「完全な非エンジニア」の私ですが、今、自分のデスクトップには「自作のWindowsアプリ」が常駐しています。
まずは、論より証拠。私がAI(Claude 3.5 Sonnet)と二人三脚で作ったアプリ「Prompt Palette」をご覧ください。

これは、AIイラスト生成のための「呪文(プロンプト)」を、クリックだけで組み立てられる支援ツールです。
なぜ、わざわざ「Windowsアプリ」なのか?
「Webツールならネット上にたくさんあるじゃないか」と思われるかもしれません。
しかし、既存のWebツールには、ブログ運営執筆中にどうしても許せない「小さなストレス」がありました。
- ブラウザのタブを開きすぎて、「あのツール、どのタブだっけ?」と迷子になる
- ネット回線が重いカフェだと、ツールの動作がもたつく
- 毎回ブックマークから開くのが面倒くさい
「もっと、こう……電卓みたいにパッと開いて、サクサク動く自分だけの道具が欲しい」
そう思った私がたどり着いた答えが、「Webツールを自作し、さらにそれをWindowsアプリ(.exeファイル)にしてデスクトップに置く」という方法でした。
ネット環境不要。ショートカットキー一発で起動。メモリ消費も最小限。
この「自分専用の道具が手元にある」という全能感は、一度味わうと病みつきになります。
「コードを書く」のではなく「AIに指示する」時代へ
「でも、環境構築とかコマンドとか、絶対無理でしょ?」
その不安、痛いほどわかります。かつての私が一番恐れていたのがそこでしたから。
しかし、2025年現在の開発は、驚くほど様変わりしています。
私はこのアプリを作るために、コードを1行も書いていません。
それどころか、最も難関とされる「環境構築」のコマンドすら、自分で考えていません。
「黒い画面に何を入力すればいいか、1文字も間違えずに教えて。私はそれをコピペするから」
AIに対してこうワガママを言い続け、ただひたすらに提示された文字をコピペしただけです。
今や開発に必要なのは、難解な構文を暗記する力ではなく、「何を作りたいか(要件定義)」を熱量を持って伝える力だけなのです。
AIという「超優秀なエンジニア」が、24時間365日、あなたの隣でペアプログラミングをしてくれる。そんな時代がすでに到来しています。
この記事であなたが得られるもの
本記事は、単なる「作ってみた日記」ではありません。
知識ゼロの私が、実際に泥臭くエラーと戦いながらWebツールを作り、それを「Windowsアプリ(.exeファイル)」としてパッケージ化し、配布できる状態にするまでの全工程を記録した「完全攻略ガイド」です。
- HTML/CSSがわからなくてもWebツールを作る「自然言語プログラミング」術
- 非エンジニアが最もつまずく「開発環境構築」をコピペだけで突破する方法
- エラー画面を「AIへの指示書」に変えるデバッグ思考
- 作ったアプリをブログ読者に配布し、ファンを増やす「権威性構築」戦略
「消費する側」から「創る側」へ。
この壁は、あなたが思っているよりもずっと低く、そして脆くなっています。
さあ、私と一緒に、AIという最強のパートナーを使って、あなたのアイデアを「動く形」にしてみませんか?
STEP1:Webツール版「Prompt Palette」爆誕への道のり
「よし、Windowsアプリを作るぞ!」
そう意気込んだ私ですが、いきなり .exe ファイルを作ろうとして、過去に何度も挫折してきました。なぜなら、環境構築という高い壁がいきなり立ちはだかるからです。
そこで今回は戦略を変えました。
「まずはブラウザの中で動くWebツールとして完成させる。アプリ化はその後」
この「急がば回れ」の精神こそが、非エンジニアが開発を成功させる最大の秘訣です。
コードは書かない。「日本語」を書く
Webツールを作るには、HTML(骨組み)、CSS(見た目)、JavaScript(動き)という3つの言語が必要です。
昔の私なら、ここで「HTML 入門」の本を買ってきて、最初の10ページで寝落ちしていたでしょう。
しかし、今はAIがいます。私がやるべきことは、「どんなツールが欲しいか」を日本語で詳しく説明すること(=要件定義)だけです。これを私は「自然言語プログラミング」と呼んでいます。
技術選定もAIに「丸投げ」でいい
ここで一つ、種明かしをします。
後述するプロンプトの中で、私は「React」や「Tailwind CSS」といった専門用語を使っています。「知識ゼロなのになぜそんな言葉を知っているの?」と思いませんでしたか?
実はこれ、事前にAIに相談して決めたんです。
私:「今どきのイケてるWebアプリを作りたいんだけど、初心者でも修正しやすくて、デザインが綺麗になる技術構成(スタック)を教えて」
AI:「それなら『React』と『Tailwind CSS』の組み合わせが最強です。コンポーネント指向で修正しやすく、コピペで美しいデザインが作れます」
なるほど、わからん。でもAIが最強と言うなら最強なのだろう。
そう信じて、提案された単語をそのままプロンプトに組み込んだだけなんです。「わからなければ、それすらAIに聞く」。これが非エンジニアの生存戦略です。
運命を分けるプロンプトの「解像度」
実際に私がClaude 3.5 Sonnetに投げたプロンプトを公開します。
AI開発において、日本語の指示(要件定義)の精度がすべての品質を決めます。
【× 失敗するプロンプト例】
「AIイラスト用のプロンプトを作るツールを作って。タグをクリックすると入力される感じで。おしゃれにして。」
これだと、AIも困ってしまい、なんとなく動くけれど「コレジャナイ」ものが出来上がります。エンジニアの世界で言う「要件定義不足」です。
【○ 成功したプロンプト(要件定義)】
# 命令
あなたは熟練のUI/UXエンジニアであり、画像生成AI(Stable DiffusionやMidjourneyなど)の専門家です。
直感的な操作で高品質なAIイラスト生成用プロンプトを作成できるWebツール「Prompt Palette(仮)」を作成してください。
React、Tailwind CSS、Lucide Reactを使用し、Artifacts機能でプレビュー可能な状態で出力してください。
# ターゲットユーザー
AIイラスト初心者〜中級者。「どんな単語を組み合わせれば良い絵が出るか分からない」「呪文を手打ちするのが面倒」という層。
# 主要機能とUI構成
画面を左右(スマホなら上下)に分割した2カラムレイアウトを採用してください。
## 左側:プロンプト入力・確認エリア(固定表示気味に)
1. **プロンプト出力欄(テキストエリア):**
* 右側で選択したキーワードがカンマ区切りでリアルタイムに追加されていくエリア。手動編集も可能。
* 例: `masterpiece, best quality, 1girl, solo, looking at viewer, smiling, upper body, ...`
2. **ネガティブプロンプト切替タブ:**
* 「ポジティブ(通常)」と「ネガティブ(除外したい要素)」をタブで切り替えられるようにする。
* ネガティブタブ選択時は、ネガティブ用の入力欄を表示する。
3. **アクションボタン:**
* 「コピー」ボタン:ワンクリックでクリップボードにコピー。
* 「クリア」ボタン:入力欄を空にする。
## 右側:キーワード選択パレットエリア(スクロール可能)
カテゴリーごとにアコーディオン(開閉式)またはタブで整理されたキーワード群を表示します。
**カテゴリー構成案と収録キーワード例(英語表記):**
* **品質・画風 (Quality/Style):** masterpiece, best quality, highly detailed, 8k resolution, anime style, oil painting, watercolor, cyberpunk
* **人物・特徴 (Subject):** 1girl, 1boy, solo, beautiful face, smiling, long hair, short hair, hoodie, kimono, armor
* **構図・アングル (Composition):** upper body, full body, portrait, close-up, dynamic angle, from below, wide shot
* **背景・場所 (Background):** fantasy world, cyber city, japanese street, cafe interior, starry night, forest, ruins
* **照明・効果 (Lighting/Effects):** cinematic lighting, soft light, dramatic shadows, glowing, lens flare, depth of field
## インタラクションの挙動
1. 右側のパレットでキーワードのボタンをクリックすると、左側の現在アクティブなテキストエリア(ポジティブまたはネガティブ)の末尾に、カンマ区切りで単語が追加される。
2. **【重要】強調機能:** すでに追加済みのキーワードをもう一度クリックすると、Stable Diffusion形式の強調構文 `(keyword:1.2)` に変化し、さらにクリックすると重みが `1.3`, `1.4` と増え、右クリック(または長押し)で減少、最終的にリストから削除される、といったトグル動作ができると理想的ですが、難しければ「Shift+クリックで強調、Ctrl+クリックで削除」のような簡易的な実装でも構いません。
# デザインの方向性
- 配色:クリエイティブなツールらしい、少しダークでサイバーパンクな雰囲気、またはクリーンでモダンなライトテーマ(お任せします)。
- スタイル:shadcn/ui のような洗練されたコンポーネントデザインを意識してください。キーワードのボタンは押しやすいバッジ型やチップ型を想定。
# 出力形式
コード全体を1つのtsxファイルにまとめてください。
外部データソースは使わず、キーワードリストはコード内の定数配列として定義してください。
ポイントは、「機能」「見た目」「挙動」を因数分解して伝えることです。
料理を注文するとき、「美味しいもの」ではなく「辛さ控えめのトマトソースパスタ、麺は硬めで」と伝えるのと同じ感覚です。
AIが「プレビュー」を見せてくれる魔法の時間
このプロンプトを投げた数秒後、私の目の前で魔法が起きました。
Claudeの画面右側に「Artifacts(アーティファクツ)」というウィンドウが開き、私が頭の中で描いていたツールが、実際に動く状態で表示されたのです。

「うわっ、動くぞ……!」
ボタンを押せば文字が入る。コピーボタンも効く。
まだデザインは荒削りでしたが、自分の頭の中にしかなかったアイデアが、ものの数秒で「触れる形」になった瞬間、脳内でドーパミンが溢れ出すのを感じました。この「全能感」こそが、AI開発の最大の魅力です。
初心者が知っておくべき「3つの呪文」
先ほどAIに勧められて使った「3つの技術用語」ですが、何をしているかイメージだけ持っておくと、AIへの指示出しがスムーズになります。
- React(リアクト) = 「脳みそ」
アプリの動きやロジックを管理します。「Reactで作って」と言うだけで、今風のサクサク動くアプリになります。 - Tailwind CSS(テイルウィンド) = 「衣装」
見た目を担当します。「Tailwindでかっこよくして」と言えば、センスの良いデザインに着せ替えてくれます。 - Lucide React(ルシード) = 「アイコン素材集」
コピーマークやゴミ箱アイコンなどを呼び出せます。「Lucideのアイコンを使って」と言えば、直感的なUIになります。

これらは、いわば「AIが最も得意とする道具たち」です。
これらを指定することで、AIのパフォーマンスを最大化し、エラーの少ないコードを引き出すことができます。
こうして、AIとの数十回のラリー(修正対話)の末、ブラウザ上で完璧に動作する「Prompt Palette(Web版)」が完成しました。
次は、いよいよこのWebツールをブラウザから引っ張り出し、「Windowsアプリ」として独立させる工程に入ります。
ここからが、多くの非エンジニアが挫折する「魔の領域」ですが、安心してください。ここもAIを使えば、ただの「コピペ作業」に変わります。
STEP2:ブラウザを飛び出せ!「Windowsアプリ化」という高い壁
ブラウザ上で完璧に動く「Prompt Palette」が完成しました。
しかし、数日使っているうちに、私はある「決定的な弱点」に気づいてしまったのです。
「……あれ? 結局これ、ブラウザのタブに埋もれてない?」
記事執筆のリサーチで20個も30個もタブを開いていると、せっかく作った自作ツールもその中の「単なる1つのタブ」に成り下がります。「あのツールどこだっけ?」と探す時間は、執筆のリズムを容赦なく断ち切ります。
「違う、そうじゃない。私が欲しかったのは、電卓やメモ帳のように、使いたい時に0.5秒でパッと出てくる『独立したアプリ』なんだ!」
こうして私は、Webツールをブラウザから引っ張り出し、デスクトップアプリ(.exeファイル)にするという、さらなる深淵へと足を踏み入れました。
魔法の箱「Electron(エレクトロン)」とは?
ここで登場するのが、「Electron」という技術です。
名前だけ聞くと難しそうですが、仕組みはシンプルです。
Electronの仕組み(超訳)
作ったWebサイト(HTML/CSS)を、「Google Chromeの超軽量版」みたいな専用の箱に閉じ込めて、独立したアプリに見せかける技術。
実は、皆さんが普段使っている「Visual Studio Code (VS Code)」や「Slack」「Discord」も、このElectronで作られています。「世界的なアプリと同じ技術で、自分のツールが作れる」。そう考えると、少しワクワクしてきませんか?

立ちはだかる最大の敵「黒い画面(ターミナル)」
しかし、ここからが非エンジニアにとっての「地獄」の始まりです。
Windowsアプリを作るには、どうしても避けられない作業があります。それが「環境構築」です。
Node.jsをインストールしてくださいnpm installコマンドを実行してください- パスを通してください
ネットで検索すると出てくる解説記事は、まるで異国の言葉で書かれているようでした。
そして何より恐ろしいのが、あの「黒い画面(コマンドプロンプト/ターミナル)」です。

ただ文字が点滅しているだけの、あの無機質な画面。「一文字でも間違えたらPCが爆発するんじゃないか」という謎の恐怖感。かつて私がプログラミング学習で挫折したのも、まさにこの「環境構築」でつまづいたからでした。
解決策:AIを「過保護な家庭教師」にする
ですが、今の私にはAIがいます。
私はプライドを捨て、なりふり構わずAI(Claude)にこう泣きつきました。
「Electronでアプリ化したいんだけど、黒い画面が怖くて何もできません。私が次にキーボードで打つべきコマンドを、1行ずつ、何も考えずにコピペすればいい状態で教えて。 専門用語を使ったら泣きます」
するとAIは、呆れるほど丁寧に、手取り足取り教えてくれました。
- Node.jsの準備:「公式サイトのこのボタンを押してダウンロードして、全部『次へ』を押してください」
- プロジェクトの統合:「先ほど作ったWebツールのフォルダを開いて、このコマンドを実行してください。これで『アプリ化するための箱』が準備されます」
npm install electron electron-builder --save-dev私は意味もわからず、AIが出した文字列をコピーし、黒い画面に貼り付け、恐る恐るエンターキーを押しました。
すると、画面にズラズラと白い文字が流れ始めました。
「お、動いてる……?」
それは、私が初めて「PCの裏側」を制御した瞬間でした。意味を理解する必要はありません。「AIが言った通りにコピペすれば、動く」。この事実さえあれば、環境構築の壁は突破できるのです。
「ビルド」ボタンを押した瞬間の震え
AIの指示通りに設定ファイル(package.jsonなど)を書き換え、ついにアプリを生成する「ビルドコマンド」を実行する時が来ました。
npm run dist:winこのコマンドを打ち込んでエンター。
数分後、フォルダの中に「Prompt Palette Setup.exe」というファイルが生成されていました。
恐る恐るダブルクリックすると、見慣れたWindowsのインストーラーが起動し、デスクトップにショートカットアイコンが現れました。それをクリックした瞬間、画面上に私だけのアプリが立ち上がったのです。
ブラウザの枠も、アドレスバーもない。
完全に独立した、私だけのアプリケーション。
「すげぇ……本当に作れちゃったよ」
深夜のデスクで一人、ガッツポーズをしたのを覚えています。
HTMLもCSSも書けない文系人間が、自分のPCにインストールできるソフトを作り出した。この「ハッカーになったような全能感」は、ブログで記事がバズった時の高揚感とはまた違う、強烈な体験でした。
(※ちなみに、この後インストールしようとすると「Windowsによって保護されました」という青い警告画面が出ることがありますが、これはウイルスではなく「個人開発の勲章」のようなものです。詳しくは後述します)
結論:難所は「思考停止」で乗り越えろ
非エンジニアがアプリ開発で挫折するポイントは、「理解しようとすること」です。
「npmって何?」「ライブラリって何?」と真面目に調べ始めると、深淵にハマって帰ってこられなくなります。
- コードの意味はわからなくていい。
- コマンドの意味もわからなくていい。
- ただ「AIに指示された文字列」を、パズルのピースのように指定の場所に埋めていくだけ。
この「割り切り」こそが、私たち非エンジニアが最短ルートでゴール(アプリ完成)にたどり着くための唯一の戦略なのです。
実践論:AIとの「対話」こそが最強のデバッグ術
「ビルド成功!」……とスムーズにいけば理想ですが、現実はそう甘くありません。
私も開発中、数え切れないほどのエラー画面に遭遇しました。画面が真っ赤になり、英語の警告文がズラズラと並ぶあの絶望感。
しかし、ここで一つ断言します。
「エラーが出たら、ガッツポーズしてください」
なぜなら、エラーは失敗ではなく「AIへの最高に具体的な指示書」だからです。
エラー画面は「AIの餌」である
プログラミング知識がない私たちが「なんとなく動かない」とAIに伝えても、AIは困ってしまいます。
しかし、「このエラー文が出た」と伝えた瞬間、AIの目の色は変わります。
実際に私が遭遇したエラーと、その時のAIとのやり取りをご覧ください。
【Case 1:画面が真っ白事件】
アプリを起動したのに、画面が真っ白で何も表示されない。
初心者が最もパニックになる瞬間ですが、これはElectron開発の「通過儀礼」です。
私(パニック):「起動したけど真っ白!壊れた!?」
AI:「開発者ツール(Ctrl+Shift+I)を開いて、Consoleタブを見てください。赤い文字が出ていませんか?」
(言われた通りに見ると Refused to load the script because it violates the following Content Security Policy... という謎の呪文を発見)
私(思考停止):「なんかこんな赤い文字が出てる!(エラー文をコピペ)」
AI:「なるほど、CSP(セキュリティ設定)が厳しすぎてスクリプトがブロックされていますね。index.htmlのメタタグを以下のように書き換えてください」
私は「CSP」の意味なんて1ミリもわかりません。
でも、AIが出してくれた修正コードをコピペしたら、一瞬で直りました。
「エラー文をコピペして投げる」。これだけで、プロ級のデバッグができるのです。
【Case 2:Tailwindのデザイン崩壊事件】
デザインが崩れて、ただの文字の羅列になってしまった時。これはAI開発特有の「罠」でした。

私:「デザインが全部消えた! Unknown at rule @tailwind って怒られてる」
AI:「設定ファイルの書き方が、最新のv4のものになっていますね。しかし、現在の環境はv3です」
ここで重要なTipsがあります。
「AI開発では、あえて『枯れた技術(少し古いバージョン)』を使う」のが正解です。
AIの学習データは少し古いため、出たばかりの最新技術(Tailwind v4など)を使うと、AI自身が混乱して誤ったコードを書くことがあります。
「最新版じゃなくていい。あなたが一番詳しい『安定版(v3)』で書き直して」
そう指示することで、AIは水を得た魚のように正確なコードを吐き出し始めました。
「動かない」を「動く」に変える3ステップ
非エンジニアがエラーを解決するための、鉄板の黄金パターンがあります。
- 状況証拠を集める: 画面のスクリーンショットを撮るか、エラーメッセージを全文コピーする。
- AIに丸投げする: 「このエラーが出た。初心者にもわかるように、修正方法を教えて」とプロンプトを投げる。
- 修正案を試す: 提示されたコードをコピペして、再度実行する。

それでも直らない時の「奥義」
もし3回やり取りしても直らない、あるいはAIが同じことを繰り返し始めたら?
それはAIが「混乱モード(ハルシネーション)」に入っているサインです。
そんな時は、迷わず「New Chat(新しいチャット)」ボタンを押してください。
そして、最初から「今こういう状況で困っている」と説明し直すのです。これだけで、嘘のように一発で解決策が出てくることが多々あります。
人間関係と同じで、話がこじれたら一度リセットする。これも立派な技術です。
AIは「怒らない先輩エンジニア」
人間のエンジニアに「エラー出ました、直してください」と何度も聞きに行くと、「自分で少しは調べろ!」と怒られるかもしれません。
しかし、AIは絶対に怒りません。何度同じことを聞いても、何度初歩的なミスをしても、24時間365日、常に優しく、冷静に答えを出し続けてくれます。
この「心理的安全性の高さ」こそが、私たちが挫折せずにアプリを完成させられる最大の理由なのです。
エラーを恐れる必要はありません。それはAIとの対話を深め、アプリの完成度を高めるための「イベント」に過ぎないのですから。
応用編:自作アプリが「ブログの武器」になる
「自分専用のツールが完成した! 便利!」
……で終わらせてしまっては、もったいなさすぎます。
せっかく苦労して作ったそのアプリ、実はあなたのブログを次のステージへ押し上げる「最強の武器」になるんです。
私は完成した「Prompt Palette」を、自分だけで使うのではなく、noteやブログで配布することにしました。すると、予想もしなかった変化が起きたのです。
「記事を書く人」から「ツールを作る人」へ
ブログ運営において、最も難しいのが「差別化」と「権威性の構築(E-E-A-T)」です。
AI記事が溢れる今、「プロンプトの書き方」を解説する記事はごまんとあります。しかし、「プロンプト作成ツールそのもの」を配っている人は、ほとんどいません。
- Before: 「プロンプトのコツを解説する人」
- After: 「プロンプト作成アプリの開発者」
この肩書きの変化は劇的です。
「この人は口先だけでなく、実際に動くモノを作れる技術(あるいはAI活用力)があるんだ」という事実は、読者に強烈な信頼感を与えます。自作アプリは、あなたの専門性を証明する「動くポートフォリオ」なのです。
誰でもできる「0円配布」の仕組み
「アプリ配布なんて、サーバーとか難しいんでしょ?」
いいえ、驚くほど簡単です。メールにファイルを添付するのと大差ありません。
【コスト0円の配布フロー】
- [圧縮]: アプリ(.exe)を右クリックしてZIPファイルにする。
- [アップロード]: 普段使っているGoogleドライブにドラッグ&ドロップ。
- [リンク取得]: 共有設定を「リンクを知っている全員」にしてURLをコピー。
- [公開]: そのリンクをブログやnoteに貼る。

たったこれだけ。
これを「メルマガ登録特典」や「LINE公式アカウントの登録特典」にすれば、リスト取りの強力な磁石としても機能します。
信頼を守るための「青い画面」対策
ここで一つ、配布する際に絶対に避けて通れない「壁」の話をします。前のセクションで触れた「SmartScreen(スマートスクリーン)」です。
私たちが作ったアプリは、マイクロソフトにお金を払って「署名」をしていないため、読者がインストールしようとすると、Windowsが「WindowsによってPCが保護されました(発行元不明)」という青い警告画面を出します。

何も知らない読者は「ウイルスだ!」と驚いてしまいます。
これを防ぐためには、配布ページに必ず以下の注意書きを添えることが、開発者としてのマナーであり、信頼(Trustworthiness)を守る鍵です。
【インストール時の注意】
個人開発のアプリのため、Windowsのセキュリティ警告が出ることがあります。ウイルスではありませんので、「詳細情報」→「実行」の順にクリックして進めてください。
このように先回りして図解付きで説明しておけば、読者は「あ、記事に書いてあった通りだ」と安心してインストールしてくれます。
「無料版」でファンを作り、「有料版」でマネタイズする
さらに応用すれば、アプリ自体を商品化することも可能です。
私は今回、以下のような「フリーミアムモデル」をAIと一緒に実装しました。
- 無料版: 全機能使えるが、起動後72時間(3日間)でロックがかかる体験版。
- 製品版: 時間制限なしでずっと使える。noteの有料記事(4,500円)で販売。
「時間制限なんて高度な機能、作れるの?」と思いますよね。
でも実は、これもAIに丸投げです。ロジックの種明かしをすると、こうです。
私:「初回起動時の日時をこっそり保存しておいて、そこから72時間経過していたら『期限切れです』という画面を出して操作できなくするコードを書いて」
たったこれだけ。AIは「ブラウザの保存領域(localStorage)を使って時間を記録するコード」を即座に書いてくれました。私はそれをコピペしただけです。
まずは無料版を使ってもらい、「これ便利!」とファンになってもらう。
そして、「もっと使い続けたい」と思ってくれた人にだけ、有料版(制限解除版)をお届けする。
これなら、売り込みをせずとも自然に収益が生まれます。
「自分の悩み」を解決するために作ったツールが、誰かの役に立ち、さらにはブログの権威性を高め、収益まで生み出してくれる。
AIを活用すれば、非エンジニアのブロガーでも、このエコシステムをたった一人で構築できるのです。
まとめ:AIは「魔法の杖」ではなく「最強のパートナー」
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
最後に、これからアプリ開発に挑戦するあなたへ、私がこの開発を通して得た一番の「気づき」をお伝えして締めくくりたいと思います。
「誰でも作れる」は本当か?
昨今、「AIを使えば誰でもエンジニアになれる」という言葉をよく耳にします。
実際にやってみた私の結論は、「半分正解で、半分間違い」です。
AIは確かに、コードを書くという作業を魔法のように代行してくれます。
しかし、その魔法を発動させるためには、私たち人間にしかできない仕事が残っています。
- 「どんな道具があれば便利か?」というアイデアの源泉
- 「ここが使いにくいから直したい」という執念のようなこだわり
- 「エラーが出ても諦めない」という実行力
これらは、どんなにAIが進化しても、人間にしか持ち得ない「熱量」の部分です。
AIは勝手に便利なツールを作ってくれるわけではありません。あなたの「作りたい」という熱量に呼応して、初めて最強のパートナーになってくれるのです。
まずは「Prompt Palette」で未来に触れてみてください
私が作った「Prompt Palette」も、元々は「タブを探すのが面倒くさい」という、個人的で些細な不満から生まれました。
そんな小さな動機から生まれたツールが、今では私のデスクトップに常駐し、毎日の執筆を支える「相棒」になっています。
「自分専用のアプリがデスクトップにある」。
この感覚がどれほど心地よいか、まずは私の作ったアプリで体感してみてください。
ブラウザの外側、デスクトップという「自分の庭」へ
Web全盛の時代に、あえて「Windowsアプリ」を作る。
それは、借り物の場所(ブラウザ)ではなく、自分のPC(デスクトップ)という「庭」に、自分だけの秘密基地を建てるような喜びがあります。
あなたの日常にも、まだ解消されていない「小さな不便」が転がっていませんか?
- 毎月繰り返している単純作業
- 複数のサイトを行き来する手間
- 手計算でやっている集計
もし心当たりがあるなら、今すぐClaudeを開いて、こう打ち込んでみてください。
「この作業を自動化するツールを作りたいんだけど、手伝ってくれる?」
その一言が、あなたが「消費する側」から「創る側」へと足を踏み出す、最初の一歩になります。
もしアプリが完成したら、ぜひX(Twitter)で #AIアプリ開発 のハッシュタグをつけて教えてください。私が全力で「いいね」を押しに行きます。
さあ、次はあなたの番です。
あなたのデスクトップに、あなただけの「相棒」が常駐する未来を、私は楽しみにしています。

















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